会報誌インタビュー「VOICE・この人この声」では、「会員企業は辞書の1ページ」という同友会らしく会員の等身大の声をお伝えしています。
西村博史会計事務所 所長 西村 博史 氏 (副代表理事)
西村博史会計事務所の代表、西村博史です。会計事務所として単なる税務申告に留まらず、お客様と対話し日常の悩みを聞きながら、創業から事業承継まで寄り添い、中小企業がしっかりと自分の足で立てることに貢献する仕事をしています。
創業からの歩みと同友会との出会い
同友会は24年目で、開業1ヶ月後の2000年2月に、懇意にしていた税理士さんから紹介され、多くの人と知り合うことが目的で入会しました。独立したばかりでお客さんゼロの状態でしたので、どちらかと言えば邪な気持ちも半分入っていたかもしれません。その後、支部幹事をやりませんかと声をかけていただき、少しずつ学びを深めていきました。
経営者同士が互いの経営判断を検証し相談し合う組織
同友会に入って最も良かったのは、「何を基準にして経営をすべきか」その拠り所を教えていただき、勉強したことです。経営者は孤独であり、判断の検証が難しい場面もあります。同友会は経営者同士が互いの経営判断を検証し、相談し合う組織です。特に同友会の先見性が経営の指針となりました。経営者として次に何をすべきかを常に考えさせられる環境で、自社の立ち位置や方向性を見極める基準を得ていきました。
われわれ中小企業を中心とした国づくり
私が最も教えていただいたのは「中小企業憲章、中小企業を中心とした国づくり」という考え方です。この先見的な考えが同友会の大きな特徴で、われわれ中小企業がしっかりと自立し、地域や国全体に貢献することで、幸せな国にすることが目指されています。
そして、同友会理念「自主・民主・連帯」は、経営にとっても国づくりにとっても重要です。自主とは、自分を落とし入れない、必要以上に自分自身の価値を下げることなく、自他共に認められる存在、自分自身の成長を胸を張っていえる存在になることを指します。自分を成長させる力がある人は、人を成長させる力も持っています。
民主とは、多様な意見を尊重しつつ、共通の価値観を見つけ、自分と他者の成長を促すことを指します。同友会では、単純な多数決を避け、相手の立場に立って考えることを重視しています。これは日々の研鑽によって培われるもので、社員共育の場づくりにも深く根付いています。
課題を共有し共に成長する経営のあり方
私の考える「幸せ」とは、課題を持ち、それを仲間と共有し、共に成長することです。中小企業の強みは社員同士の顔が見える関係と共感です。多様性を尊重しつつ、共通の価値観を持つ中小企業が日本に増えていくことで、幸せな国になっていく。そのために同友会では、こうした考えを基に経営者が成長し続ける場であり、だから私は同友会で学び続けています。
2006年政策問題学習会 「いま、なぜ中小企業憲章なのか考えるをテーマに報告する西村氏」