至誠堂製薬㈱ 冨士 浩祐氏~SDGsな会員企業紹介 File No.19

SDGs宣言を手に取引先の国旗と  

冨士氏は海外事業部長として、海外の製薬会社を訪問されることが多く、特に発展途上国(ミャンマー・カンボジア・ベトナム・モンゴル等)の郊外に行くと、豊かな日本では想像できないほど貧しい生活をおくる人をたくさん見かけます。薬も箱で購入することができず、個包装(1回単位)のバラ売りで、購入されている現実を見て「安心で効果が高い日本の医薬品を輸出するのではなく、現地企業に技術を提供し生産してもらう」方式で、貧困層でも購入できる価格で提供することを進めています。現社長が社長に就任された20年前に、今のミャンマーやカンボジア同様に貧困層が多かった台湾の企業と取引を始めた時と同じで、長期的に見て有効な投資と話しておられました。

SDGsのゴールでは、3・16・17でガバナンス・コンプライアンス遵守・サプライチェーンマネージメントFSSC22000・ISO9001認証取得と共に「グローバル化に対応した製品を『適切』な価格で海外の取引先に提供する」と宣言をしています。

防火訓練のようす  

環境経営(エコアクション21、3R、ISO認証)と共に、2013年から事業継続計画(BCP)にも取り組んでいます。災害ごとの詳細な対応マニュアルを整備、今は南海トラフ大地震を想定して県外出張中の社員の安否確認が即時に行えるシステム導入など、社員・取引先・地域の安全を守ることを宣言しています。SDGsゴールでは11・12・13

さらに働きがいがある職場づくりの項目では、「『道徳』と『経済一体』の経営を進め、心身ともに健康で幸せに働き続ける職場づくりを目指します」を一番に上げており、社是にも通じる想いのこもったSDGs宣言と感じました。

訪問時のご挨拶を丁寧に行われる社員の方々の姿が印象的でした。またインタビュー中の質問に対して何度もマニュアルや資料を取りに行っていただきましたが、戻られるのは1分程度で、文書をすぐに取り出せる整理・整頓が行き届いた環境にあることがわかりました。

経営指針書の事もお伺いしましたが、次年度の経営指針成文化セミナーに参加し、学びたいとの決意を伺い、SDGs宣言だけでなく、日々の経営や社員共育に真摯に取り組まれている姿に、深い感銘を受けました。     

 (取材・文責/(株)パートナーズ 中野 徹)

執筆者:株式会社パートナーズ 中野 徹