勝ち残る「変身経営」・前編 :Foresight ~専門家が見る世界~ 第4回

【 勝ち残る「変身経営」 ・ 前編 】

ダーウィンが1859年に発表した「種の起源」にある進化論で、最も強い者が生き残るのではなく、最も賢い者が生き延びるのでもない。唯一、生き残るのは変化できる者であると述べています。

コロナ禍が始まり丸二年。コロナ、戦争、円安、原材料高騰など予測不可能な事態が次々と起こる世界で、どうすれば勝ち残れるのか、これまでの勝ちパターンを変え、業態転換を進める必要が生じています。

同友会会員の中にも「事業再構築補助金」による業態転換や、新しい事業を開始した会員もおられ業態転換を図る企業が身近にあります。とはいえ、業態転換といってもどのように転換すればよいか、そう簡単に見つかるものでもありません。

今回は前・後編に分けて、業態転換の4つのタイプをご紹介していきます。他社がどのような業態転換をしているのかをみて自社のヒントにしていただければと思います。

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① オクトパス型

タコの足のように複数の事業を持ち、時代に応じて組み替えるのが特徴ですが、むやみに足を増やさず新陳代謝に取り組む視点が必要です。

この型は「旭化成」に代表され、サランラップの「樹脂・繊維・ゴム」やヘーベルハウスの「住宅」など6事業を展開し多数の柱を持ち、どこかの事業で調子が悪くても他の事業で挽回できるよう事業を構築しています。

 

② ピボット型

バスケットの足さばきのように軸足にあたる事業を固定し、もう一方の足を動かしながら多角を進める方法です。この型は「キッコーマン」が当てはまり、しょうゆの「一本足打法」を脱却するため業態転換をしました。しょうゆ生産のベースにある発酵技術を使い、ケチャップやつゆやたれ、豆乳などの商品を横展開しています。

 

後編では、上記とも異なる2タイプをご紹介します。

(巳波会計事務所 巳波 弘一)