南和繊維工業(株) 中川 浩司氏 ~SDGsな 会員企業紹介 File No.14

所在地:奈良県御所市室137番地

事業内容:学販商品ニットトレーニングウェアー製造販売、 スイムウェア製造販売

創業は、大阪陸軍被服廠の下請縫製工場となった1938年(昭和13年)に遡ります。

今に至る編立から縫製まで一貫した製造体制は、戦後すぐにメリヤス下着の製造を開始した時に整えられました。1969年以降は学校向けのスポーツウエアの製造販売体制を確立させました。1980年代初頭には既に少子化の将来を見据え、新商品開拓など中長期戦略を立てはじめ、1990年代にはロングスパンで大量生産するのではなく、多品種・短サイクル・小ロットを実現させるためにコンピューター総合管理システムを導入するなど、最適な設備投資を行ってきたことで、時代の変化、世の中の細かなニーズに対応できる企業としての今日の地位を築き上げてこられました。「すべては、子どもたちのために」というキャッチフレーズ、そして社是「私達は、全国の児童・生徒に快適で楽しい運動着を提供し、心と体の健やかな成長に貢献します」「私達は、それぞれの部門で生き生きとその潜在能力をフルに発揮でき、幸福、ゆとりを味わえる会社を目指します」のための取り組みをSDGsの観点で見てみます。

<SDGsのゴールで見ると>

3.すべての人に健康と福祉を

製品には紫外線対策の工夫が随所に見られます。従来のスクール水着は露出部分が多く、ヒリヒリとした日焼けに悩まされた記憶を持つ人も多いと思いますが、襟、肩、背中が隠れるデザインに一新されました。また上下分離型でトイレ時などの着脱が楽で、おしりの形が隠れるなど、おしゃれなだけでなく尊厳に配慮したデザインです。教職員の紫外線遮蔽水着は、長袖手甲付き上着やロングパンツで肌を守り、撥水性・速乾性がある着心地の良さで冷えを防ぎます。

11.住み続けられるまちづくり

集団就職で青森から来られて以来、勤続60年、75歳の社員さんがいます。今の会社の敷地内にある社宅に住まわれ、裁断のなくてはならない戦力です。勤務時間は働きやすさが考慮されて8時―15時。また、ミャンマー出身社員が現在23人。日本語を勉強したいという希望で会長による勉強会を定期開催し、月に1回はお米や野菜の支給日もあり、働き手というだけでなく、地域で共に暮らす仲間としての受け入れ体制を築いています。

17.パートナーシップで目標を達成しよう

企画開発・編立・裁断・縫製・検査と一拠点での自社一貫製造を支えているのは、大手繊維メーカーとのパートナーシップによる商品や素材の共同開発。そして社内の部門間の密なコミュニケーションによるものづくり体制です。

執筆者:ア・マ・テ・ラ・ス 寺前美加