植平工業㈱ 植平 秀次 氏 ~SDGsな 会員企業紹介 File No.5 

植平工業株式会社  代表取締役社長  植平 秀次 氏

所在地   :宇陀市大宇陀大東203番地1

事業内容:普通鋼、特殊鋼、ステンレス鋼の製品の加工及び販売、及びそれに付帯する一切の事業

事業内容の変遷をたどると、コンクリート製品の製造販売から、次第にグレーチング(溝蓋)が主力製品となり、「金属加工の植平工業」に。さらにそれだけにとどまらず、今や大小さまざまな鋼製品が次々と生み出される会社になっています。植平氏は「業態が変わることを何ら恐れていない社風」と言われています。そこには途切れなく意欲的に商品開発が進められていく仕組み、しかけがありました。

ドラマのセリフのような「あなたに出逢えて本当に良かった。」が経営理念。「あなた」とは誰を指しているのか。心からこの理念を体現するために何をしているのか。その具体的な中身の中に持続可能な会社とは何か、社員が働き続けられる会社とは? というSDGsに通じる実践がありました。

【SDGsのゴールで見ると】

「8.働きがいも経済成長も」

社員から出された新製品の提案について、まず算出された原価を提案者に提示、それを受けて提案者が販売価格を決定します。そして製品化後の粗利の3割を提案者が受け取れるという、やる気の出る仕組みが商品開発を支えています。

また 入社した社員さんは会社の敷地内に自分の好きな果樹の苗木を植えます。退職後も生長して実のなる木を見に訪れるなど、木を通して会社と社員さんとの長い付き合いが続きます。

「9.産業と技術革新の基盤をつくろう」

新製品開発委員会に各部門から1人ずつ参加することで「こうやったらコストをかけず作れる」「こうしたらより使いやすくなる」「こういう売り方がいいのでは」など、多面的に新製品案を検討しています。

作業現場の改善提案も重要なものが「KAIZEN告知板」で共有されることはもちろんですが、「どんなに些細なことでも、何でもいいから、どんどん出してよ」と社長が社員に日々促し、休憩室の壁にある「チョコ案掲示板」はたくさんの小さな改善案でいつも埋まっています。

「11.住み続けられるまちづくりを」

食糧を備蓄し、自家発電機を備えた倉庫があります。また衛星電話と風呂も設置されており、工場稼働時に災害に見舞われた場合に社員全員が3日間社内で過ごせます。備蓄食糧は賞味期限間近に社内で食べ、新しい食糧に変わります。地域住民の避難場所として宇陀市と災害時における包括連携協定を締結しています。

「17.パートナーシップで目標を達成しよう」

経営理念「あなたに出逢えて本当に良かった。」の「あなた」は、お客様、仕入れ先、社員、新しい製品、金融機関など信頼の輪をつなぐステークホルダーやモノなどすべてです。

執筆者:ア・マ・テ・ラ・ス 寺前美加