(株)ナカムラ 中村 孝士氏 ~SDGsな会員企業紹介 FileNo.1

■事業内容:印刷紙器、段ボールケース、デザイン

奈良公園近辺で生息する鹿は1200頭以上。天然記念物として守られていますが、2020年3月までの1年間に原因不明で死亡した鹿25頭中、16頭の胃からレジ袋の塊が見つかりました。うち4頭はポリ袋の誤飲が直接の死亡要因と言われています。(奈良の鹿愛護会情報)

県内の企業3社が共同して開発したのが、「鹿紙(しかがみ)」です。鹿せんべいの材料になる県産米ぬかと再生パルプを使用して制作され、一般財団法人日本食品分析センターの検査で食べても安全と認められています。

試験的に土産物店や奈良市観光協会や地元の信用金庫、薬品メーカーなど6つほどの団体が計約3500枚を購入していますが、現在の生産数では1枚100円と高額です。今後、紙袋に社名を出すことで支援してくれる企業が増えること、購入する企業が増えることで、紙袋の製造コストが抑えることができると考えられています。

【SDGsのゴールで見ると】

県内の農家で廃棄される米ぬかと、牛乳パックの再生パルプを使用して作られていることから、持続可能な消費と生産のパターンを確保すること、つまり「12.つくる責任 つかう責任」にあたります。

また、陸上の生態系の保護、回復及び持続可能な利用の推進につながることから「15.陸の豊かさをも守ろう」にあたります。

さらに、資源利用効率の向上とクリーン技術および環境に配慮した技術であることから、「9.産業と技術革新の基盤をつくろう」に該当すると考えられます。

「DOYUなら337号」掲載

執筆者:株式会社パートナーズ 中野 徹