●人生100年時代と家族構成の変化に対応する財産承継について●
人生100年時代を迎え、平均寿命が延びる一方で、認知症や介護のリスク、家族の在り方の多様化が進んでいます。こうした時代背景のなかで、自分らしい生活と円滑な財産承継を実現するために注目されているのが「遺言書」「任意後見契約」「民事信託」です。
「遺言書」は、自分の死後に財産をどのように分けるかを定める文書です。近年は再婚家庭や子どものいない夫婦も増え、相続トラブルを防ぐ重要性が高まっています。遺言書があれば、相続人同士の争いを回避し、特定の人や団体へ確実に思いを託すことができます。
「任意後見契約」は、将来判断能力が低下したときに備え、信頼できる人へ財産管理や生活支援を任せる制度です。長寿社会では認知症対策が不可欠ですが、任意後見契約を結んでおけば、自分の希望に沿った支援体制を事前に整えられ、家族の負担も軽減されます。
「民事信託（家族信託）」は、信頼できる家族などに財産を託し、受益者のために柔軟に管理・承継できる仕組みです。例えば、障がいのある子の将来保障や、事業承継、二世代・三世代にわたる財産承継に対応できます。遺言や後見制度ではカバーしきれないニーズに応えられるのが大きな特徴です。
これらの制度を適切に活用することで、高齢期を安心して過ごし、大切な財産や想いを次世代へ円滑に繋ぐことが可能となります。まさに多様化する家族構成と長寿社会における“新しい備え”といえるでしょう。
