会報誌インタビュー「VOICE・この人この声」では、「会員企業は辞書の1ページ」という同友会らしく会員の等身大の声をお伝えしています。
(株)アイトピア 代表取締役 山本 尚慶 氏

株式会社アイトピアの代表取締役を務めています。事業はダスキンのフランチャイズ事業で、今年で創業62年目を迎えました。私が代表に就任してからは、今年でちょうど10年目になります。
経営計画発表会と経営計画書の取り組み
社長に就任した2年目から「計画発表会」を毎年実施しており、次回で10回目を迎えます。代表になる頃、社長業で何をすべきか分からなかった中で出合った本の中で「仕組み作り」というテーマに出合いました。特に「人が成長する仕組み」や「売上が上がる仕組み」といった仕組み化が私にとって分かりやすかったため、経営計画書を作成して計画発表会を始めました。
言葉だけだと方針が浸透しないので、当社では持ち運びやすい手帳型の経営計画書を採用しています。持ち歩けるから、社員が開けるかというとそうではない。だから、方針を1ページずつ朝礼で読み上げる。そうやって目を通す仕組みを入れています。私も毎回読み上げているうちに、違和感を感じてブラッシュアップしたり、やっていないことを発見する機会になっています。
仕組み作りに注力してきましたが、経営理念はダスキンのものを採用していて自社独自の理念がないことに課題を感じ、2024年に経営指針セミナーに参加しました。理念を作成して1年強が経過し、現在は経営計画書に理念を載せて朝礼で読み上げることで、社員にも理念に対する違和感がなくなってきた段階だと感じています。

社員との取り組み
経営計画書の取り組み開始当初、計画作成は全て私一人で行っており、各部門の数字や会社全体の方針、部門ごとの施策も私が決めていました。変化が見られたのは約4年前からです。現在は、私が各部門長と協力して数字を作成し、部門の方針は部門長が作るという体制を始めています。また、できていない方針を外したり、必要なことを追加したりするために、幹部(私を含め3名)と方針の見直しを定期的に行っています。幹部が積極的に意見を出すようになったことは、良い変化だと捉えています。
課題は、1年間の計画と半期ごとの実行計画が微妙に繋がってないことです。この方針と半期計画の接続性の課題について、私だけでなく社員も認識している状態になったことは、前進だと感じています。

やりがいを実感できる会社に
当社が目指すのは、計画実行の精度を現在の感覚的な半分ぐらいから7割、8割に高めることです。この精度向上は、社員のモチベーション向上と達成感の共有を目的としています。
社員が「やりがい」を感じ、モチベーションを上げるためには、「こうやったらこうなる」という繋がりが見えないと難しいと考えています。会社の中に達成感を共有できる場所を作りたい。計画が達成されれば、社員一人ひとりが実現したい未来に繋がるイメージを持てる経営計画に社員と取り組み変化させていきます。






