会報誌インタビュー「VOICE・この人この声」では、「会員企業は辞書の1ページ」という同友会らしく会員の等身大の声をお伝えしています。
(株)アイリス 代表取締役 伊藤 貴也 氏

奈良市内でリハビリに特化したデイサービスを展開してる株式会社アイリスの代表取締役、伊藤貴也です。創業して今で12年目、法人としては9年目になります。半日型と一日型のリハビリ特化型デイサービスを合わせて、3事業所を運営してます。社員は10人、パートを含めて合計34人体制で事業を展開しています。
経営の根幹にある理念は「人生の質を向上する」です。理念がしっかり固まったのは、まだ最近で、2023年に私自身3回目になる経営指針セミナーを受講してからですね。
この理念を実現するために、僕がずっと言ってるのは、一般的な「ワークライフバランス」じゃなくて「ライフワークバランス」なんです。社員さんの人生の中にアイリスがあるだけやから、仕事のためにプライベートを削ってすり減らしたり、自分を犠牲にしたりする必要はない。だから、うちは残業も休日出勤もほとんどない、有給もちゃんと取れる環境を作ってます。
結局、みんなが共通して思っているのは、「楽しく仕事したい」「やりたいことやりたい」「自己実現したい」っていうことなんです。社員がやりたくない仕事を押し付けられている状態やったら、人生の質は上がらないじゃないですか。だからこそ、「やりたいことやろうぜ」というメッセージを大事にしてます。

理念が「掛け算」となる未来のビジョン

もっと働くみんなの人生の質を向上させるために、実は旅館業をやりたいというビジョンがあるんです。奈良に住んでる高齢の利用者さんが、安心安全に旅行に行ける宿を作りたい。10人くらいが泊まれるような、こぢんまりしてゆっくり過ごせる施設を目指してます。例えば、ベッドと布団の両方に対応して、赤ちゃんから高齢者まで、3世代、4世代で行けるバリアフリーの宿なんて最高ですね。仕事もプライベートも、社員の福利厚生も、利用者さんの人生の質の向上も、すべて繋がる「人生の質を上げられる」モデルだと思っています。「旅館ができたら、そっちで働きますよ」って言ってくれてる社員も出てきてるんです。「僕たちの旅館」として、一緒に夢を追いかけるフェーズに入りつつあります。
共感を広げるライフワークバランス経営
正直、起業したての頃は「お客さんしか見てなかった」です。とにかく稼ぐことだけ考えていました。でも今は、「いい会社を作るのが先か、いいサービスを提供するのが先か」っていう問いに対して、明確にいい会社が先という考え方になりました。みんなが満たされてないと、効率も上がらないし、良いサービスも提供できないです。社員の満足度を上げて、みんなが満たされることが、結果的に生産性向上とサービス向上に繋がると信じています。最近の出来事で言うと、最低賃金が上がるよりも先行して賃上げを実施しました。きっと、好循環が生まれると信じています。
年度の方針については、だいたい毎年3月頃にあくまでも現場目線でサービス目標・方針を設定して、現場に周知・共有させています。まだまだ全社員を巻き込めてないので、その点は今後の課題となっています。







