「ちょっと話そか!」 1on1で始める強い組織づくり
第3回:1on1を続けるための仕組みとコツ
1on1を始めてみたけれど、続かなかった。そんな声は少なくありません。多くの企業が、「最初は張り切って始めたが、いつの間にかやらなくなってしまった」といった経験を持っています。特に中小企業では、日々の業務に追われるなかで、面談の時間を確保することが難しくなりがちです。
けれど、1on1を継続するために必要なのは、実はちょっとした工夫だけ。
ひとつは「ルール化」。たとえば「毎月第2金曜は1on1の日」と決め、スケジュールに組み込んでしまえば、実施率はぐっと上がります。
もうひとつは「気負わないこと」。毎回深い話をしなくていいのです。「最近どう?」「何か気になることある?」という問いかけだけでも、従業員にとっては大きな意味があります。
また、注意すべきは1on1を評価や指導の場にしないこと。本音を話す場として機能させるには、上司が聴き役に徹する姿勢が欠かせません。会話のなかで「承認」「共感」「安心」を感じた従業員は、仕事への意欲を取り戻し、突然の離職リスクも下がります。
1on1は地味でも確実に組織力を底上げする習慣です。「ちょっと話そか!」の一言が、信頼と定着を育み、会社の空気を変えていきます。大切なのは、「始めること。」そして、「やり続けること。」
変化は静かに、でも確実に訪れます。
(Deerline Lab. 浅野 郷子)






