【電子帳簿保存法とは】:Foresight ~専門家が見る世界~ 第16回

 

【 電子帳簿保存法とは 】

企業経営においては、電子帳簿保存法のうち「電子取引のデータ保存」に影響が生じます。「電子取引のデータ保存」とは、電子取引で授受した請求書などを電子データのまま保存するときの取扱いについて定めたものです。電子取引で授受した取引情報を電磁的に記録することが既に義務付けられていますが、2023年(令和5年)12月31日までは書面に印刷して保存することが許容されています。ただし、2024年(令和6年)1月1日以降発生する電子取引は必ず電磁的記録で保存しなければなりません。

●業務はどう変わる?
電子データで受け取ったら?
電子データで受け取った請求書や領収書をこれまでのように紙に印刷して、元の電子データを破棄することはルール違反となります。
紙で受け取ったら?
紙の請求書や領収書を受け取った場合、紙のまま保存して問題ありません。保存方法としては以下が考えられます。
①紙で授受した請求書や領収書をそのまま紙で保存
②スキャンし、データ化して保存

●義務化までにしておくべき準備 2STEP
①自社の電子取引について把握する
自社でどのぐらい電子取引が行われているのか把握する。電子メールの本文に取引に関する情報が記載されている場合は、その電子メール自体を保存する必要がある。
②保存要件を満たす保存方法を検討する
保存のルールとして「真実性の確保」(保存されたデータが改ざんされていないこと)と「可視性の確保」(保存されたデータを検索・表示できること)をする必要がある。
現在は10月に迫るインボイス対応に追われていると思いますが、来年(令和5年)1月に始まる電子帳簿保存法についてもアンテナを張り情報収集、情報共有していただきたいと思います。

(巳波会計事務所 巳波 弘一)