「ちょっと話そか!」 1on1で始める強い組織づくり
第1回:離職やモチベーション低下、どう防ぐ?
「離職率を下げたい」「従業員のエンゲージメントを高めたい」――多くの経営者がそう願っています。しかし、現場では日々の業務に追われ、従業員一人ひとりとじっくり向き合う時間を取ることが難しくなりがちです。結果として、気づかないうちに従業員のモチベーションが下がり、ある日突然の退職につながってしまうことも。
厚生労働省の調査では、自己都合による離職理由の上位に「労働条件が良くなかった」「仕事内容に満足できなかった」「賃金が低かった」「会社の将来に不安を感じた」などがあるといいます。これらの背景には、実は「日常の対話不足」が関係している場合が多くあります。従業員が辞めるまでには、小さな違和感や悩みがあったはず。それを誰かに話せる機会があれば、状況は変わっていたかもしれません。
こうした課題を解決する手段として、いま注目されているのが「1on1(ワン・オン・ワン)」です。上司と部下が1対1で、月に1回15〜30分程度の対話の場を持つ。たったそれだけで、信頼や安心感が生まれ、従業員の定着や意欲の向上につながっていきます。ポイントは、業務指導や評価の場にせず、部下の気持ちや考えを「聴く」ことに専念すること。
次回は、この1on1が実は中小企業にこそ適している、その理由をお伝えします。
次回へ続く
(Deerline Lab. 浅野 郷子)