【令和7年 税制改正大綱】Foresight ~専門家が見る世界~ 第26回

【令和7年税制改正大綱】

令和6年12月27日に閣議決定された令和7年税制改正大綱から影響が大きい、個人に関するものについて案内します。

 

▼年収103万円の壁について【減税】

結論としては所得税が発生しない年収額が103万円から123万円になります。

所得税計算上の控除額が20万円増額されることとなり、内訳は①基礎控除が+10万円、②給与所得控除が+10万円引き上げられることとなりました。

①基礎控除:10万円引き上げされ58万円になります

(合計所得金額:2,350万円以下の個人)

②給与所得控除:10万円引き上げされ最低65万円

▼iDeCo(個人型確定拠出年金)の拠出上限額の拡充について【減税】

iDeCo(個人型確定拠出年金)の上限が引き上げられます、(ただし、適用開始時期は未定)

下表の赤枠について以下のように拠出限度額が引き上げられます。

・第一号被保険者(いわゆる自営業者)は、6.8万円/月から7.5万円/月に増額(現行6.8万円)

・企業年金加入者(いわゆるDBやDCといった企業年金制度の加入者)は、6.2万円/月から企業年金の掛金額をした金額まで増額(現行2万円/月)

・企業年金未加入者は、6.2万円/月(現行2.3万円)まで増額

 

一つ目の103万円の壁については、減税ではあるもののその金額は限定的で国民民主党が要望していた178万円までについては翌年に持ち越しとなっています。また二つ目のiDeCoの上限引上については投資促進にもつながり、また節税効果もあるため資金的余力は増額することが望ましい内容といえるのではないでしょうか。

(参考資料:財務省「令和7年税制改正の大綱」「令和7年税制改正の大綱の概要」)

執筆者:巳波会計事務所 巳波 弘一