【リスキリングとは】:Foresight ~専門家が見る世界~ 第17回

【 リスキリングとは 】
今月は、最近脚光を浴びている「リスキリング」の意味やその意義と必要性、「リスキリング」をサポートする施策等を説明したいと思います。

 

1.「リスキリング」の意味

「リスキリング」は和製英語のようですが、”reskill”+”ing” ⇒ “reskilling”で、「新しい職業に就くために、あるいは、今の職業で必要とされるスキルの大幅な変化に適応するために、必要なスキルを獲得する/させること」と定義されています。近年では、特に、デジタル化(DX化)と同時に生まれる新しい職業や、仕事の進め方が大幅に変わるであろう職業につくためのスキル習得を指すことが増えています。

 

2.「リスキリング」の意義と必要性

日本においては、既存事業を変革する、あるいは(新規事業のために)既存事業を廃止する際に、解雇のハードルが高いことから、「内部からの異動」によって新規事業等の人材を確保する必要があります。

しかし、全く新しい事業に従事させるためには、全く新しい、社内に存在しないようなスキルの習得が必要になります。そのため「リスキリング」の考え方や実行が不可欠、ということです。

 

3.「リスキリング」をサポートする施策

岸田首相の「リスキリング」支援の表明と前後して、「リスキリング」のための助成金や補助金も新設・拡充されています。例えば、「人材開発支援助成金」の中に「人材開発支援助成金(事業展開等リスキリング支援コース)」が創設されています。

 

4.まとめ

外部環境の変化の激しい今日、企業の新規事業進出や既存事業・業務の抜本的な変革は不可避となっています。しかし、人はなかなか変化しにくいものです。DX等の技術の進展に対応するのも重要ですが、まず、経営者が外部環境・内部の状況を従業員に示し、方向性を共有して変化できるか。それが企業の存続に関わっています。

 

参考資料:リスキリングとは―DX時代の人材戦略と世界の潮流―(PDF)(経済産業省資料)

 

執筆者:町田社会保険労務士事務所 町田 泰昭