2022年中に施行予定となっている主な法改正 :Foresight ~専門家が見る世界~ 第6回

【 2022年中に施行予定となっている主な法改正 】

2022年に施行予定の法改正の中から、事業や生活に影響を与える可能性のあるものについてご紹介します。

 

民法改正

2022年4月1日より、民法上の成年年齢が20歳から18歳に引き下げられました。公職選挙法の選挙権年齢が18歳と定められたこと、国際的にも成年年齢を18歳とするのが主流であることが理由とされています。18歳になれば生じる効果は以下のとおりです。

・親権から離脱する

・親の同意なしでも様々な契約を締結できるようになる

ただし、以下の行為については従来どおり20歳にならなければ行うことができません。

・飲酒   ・喫煙    ・公営ギャンブル(競馬等)

・養子縁組(但し養親側)

・大型・中型自動車免許の取得

 

 

 

プロバイダ責任制限法改正

改正プロバイダ責任制限法は、2022年10月27日までに施行される予定です。プロバイダ責任制限法は、誹謗中傷等権利を侵害する投稿が行われた際の被害者側の加害者を突き止める手段として、プロバイダ(ウェブサイト管理者・インターネット接続業者)に対して、投稿者の情報の開示を求める「発信者情報開示請求」を認めています。

しかし、現在のプロバイダ責任制限法では、発信者を突き止めようとすればウェブサイト管理者・インターネット接続業者のそれぞれに対して、合計2回裁判手続きで発信者情報開示請求を行う必要がありました。

これを今回の改正プロバイダ責任制限法では、発信者情報開示請求を1回の非訟手続で行うことができるようにしました。

さらに、ログイン時情報の発信者情報開示請求についても、一定の条件を付しつつ明文で認められるようになりました。

(学園前総合法律事務所 馬場 智巌)