今年は「中小企業における労使関係の見解」(以下、労使見解)が発表されて50年です。奈良同友会の今期の活動方針は、その節目を意識したものになっています。7月の中同協定時総会でも労使見解の半世紀の意義があらためて強調され、同友会理念=「3つの目的(よい会社・よい経営者・よい経営環境をめざす)」「自主・民主・連帯の精神」「国民や地域とともに歩む中小企業をめざす」とともに、その内容の先見性と普遍性が再確認されました。50年前の経営者の経験と議論の結晶を手にする私たちが、これからの時代に何ができるかを問われているように感じます。
奈良同友会でも、理事会での「自主・民主・連帯の精神」のグループ討論(p10)、各例会でのテーマ設定、地域の若者の”働く”を育む活動(p7)など、さまざまな活動が同友会理念に沿って広がりつつあることが今号1冊からも見て取れます。初の経営フォーラムにも期待が高まります。
また中同協の議案書にはもうひとつ、戦後80年という節目の記載もあります。平和のうえにこそ人の営みと中小企業の発展があるという先人たちの実感が、「中小企業の経営を守り安定させ、日本経済の自主的・平和的な繁栄をめざします」という表現となって同友会の目的の中に残り、引き継がれていることを、あらためて受けとめたいと思います。
(奈良同友会事務局 山崎聖子)