●4月にできなかった合同入社式をオンラインで
奈良同友会では、例年4月には新入社員を迎えた会員企業が参加して「合同入社式」を開催しています。これは、1社では少数名しか採用しない中小企業において、新入社員のみなさんに社会人としての門出を共に喜び、迎え入れる地域の中小企業があることを伝えること、「働くとは」どういうことかを考える機会を持つこと、また自社のほかにも多くの“同期”がいることを実感してもらうことを目的に実施している大切な行事です。
しかし2020年春は、新型コロナウイルスの感染拡大により2週間前に開催を断念しました。それから半年、会員企業はそれぞれに激変する外部環境のなかで事業を進め、その中で新入社員がおかれた状況もさまざまでした。
共育委員会では、コロナ禍にあっても地域企業として奮闘する中小・小規模事業所の新入社員にこそ、働く意味やそれぞれの分野で頑張る同期がいることを伝えようと、10月9日にオンラインで「合同入社式&フォローアップ研修」を実施し、12社から22名の新入社員およびその他経営者や先輩社員25名が参加しました。
●「不安なのは自分だけじゃないと分かった」
アミティエ社会保険労務士法人の森村和枝氏による講演「働くとは」では、人々の暮らしの根幹を支える中小企業の役割や、労働を通じて得られる人間らしい発達や幸福について、また労働にまつわる法律的な原則など社会人のスタートとして改めて働くことを捉えるテーマが話されました。
その後の新入社員のグループ討論では、初対面同士でも活発な発言が多く、入社してからの様子や戸惑い、期待や不安など意見交換がされました。
業種も職種も異なる他社の社員との交流からは、誰もが悩みながら進んでいることが分かった安心感、自分なりに目標を持って仕事に臨んでいる同期から得られる刺激など、自社内だけでは得られない様々な視点が生まれていました。
●経営者にとっての合同入社式
合同入社式は、経営者にとっても自社で今後数十年働き、地域で暮らしを営む社員を迎えたことを改めてかみしめ、覚悟を新たにする節目です。
同時に、他社の新入社員の様子から、自社での社員教育のヒントを得たり、自社社員が交流によって前向きな視点を持ち、次の自分の課題へ挑戦しようとする姿勢から学びを得たりします。
同友会では、自社と他社、経営者と社員が入り混じって参加する“共育”の社員教育を行っており、会員企業同士の社員の成長も今後お互いに見守っていくことになります。
参加された方の声
課題や悩みに対する本日の気づき
今、現状の悩みって(上司であればあるほど)意外と言えていない・伝えきれていないなと気づきました。上司の方から歩み寄ってきていただいていることもあるのに「大丈夫です」で片づけて放っている事が時々あります。相手の心全てを見ることができないからこそ自分から悩み・相談をしないと、どうしてほしいのかも伝わらずに逆に困らせてしまう。歩み寄って下さっているという事は心配していただいているということなので、関係性を気付くためにも失わない様にするためにもコミュニケーションを大切に行動していこうと感じました。
これから頑張りたい事・めざしたい人物像・1年後の自分へ
新卒という身ですが、挑戦する場をたくさん与えてくれる会社に入社したので、失敗を恐れずに様々な事に挑戦していこうと思いました。目指したい人物像として「赤ちゃんからご年配の方まで全ての人々に幸せを与えられる、夢や希望を与えられる人間になる」です。この半年間で感じられた成長もあれば足りない部分も山積みです。コロナ禍という特殊な年もありますが、それを言い訳として使わず、少しでも目標に近づけるよう、今できることをコツコツと取り組んでいくよう意識してこれから行動していきます。
本日、参加した感想
全体を通して、働くという事は自分のためだけじゃなく周りを支えるためという事を改めて認識できました。働きやすさとは会社が用意して下さるモノだけではなく、1番は自分から作っていくものだと感じました。社内でのコミュニケーション力は拠点間での連携・拠点内での情報共有で大きく影響していきます。討論の中で「分からない事を聞かれることは先輩として嫌なことではない」というお言葉を頂けたので、マイナスじゃなくプラスに捉えて今後さらに学んでいきたいと思います。
同時期に入社した方がいなかったので、他の会社の同時期に入社した方とお話をさせて頂いて、周りも同じような内容で悩んでおり、苦しんでいるのが分かり、気が楽になりました。
さらに自分の足りていないところ・良いところを見つけることが出来て、自分を知ることができました。またこのようなセミナーを開催されるなら次回も参加させて頂きたいです。本日はありがとうございました。