なら支部9月例会報告
2025年9月24日に開催されました奈良県中小企業家同友会なら支部9月例会は、株式会社堀内果実園 代表取締役 堀内俊孝氏より、「付加価値を高める」をテーマに、農家という厳しい環境から多角的な事業展開を実現した経営の軌跡と実践について、貴重な体験報告をいただきました。
【創業期の課題と覚悟の経営転換】
堀内氏が農業に携わり始めた当初、直面していた課題は、農家として市場に価格決定権を握られ、収益面で厳しい状況にあるというものでした。この厳しい環境を乗り越えるため、堀内氏は受動的な立場から脱却し、「自分たちで利益を確保する体制」を築き上げることを決意されました。この経営戦略の転換こそが、今日の多角的な事業展開の礎となっています。
【付加価値創造に向けた具体的な取り組み】
例会の中心テーマである「付加価値を高める」実践として、堀内果実園が社員とともにどのように取り組んできたかについて、詳細に掘り下げていただきました。その取り組みは、事業のバリューチェーン全体に及んでおり、具体的には以下の三側面に重点が置かれています。
- 製品・サービスの企画開発:単なる生産者から、顧客に直接価値を提供する商品・サービスの開発者へと役割を転換されました。
- 生産供給:品質と供給体制を自社の管理下に置くことで、安定した高付加価値商品の提供を可能にしています。
- 取引先との関係強化:市場任せではなく、能動的な取引関係を構築することで、安定的な収益確保体制を実現されています。
【目覚ましい成長と地域への貢献】
この経営戦略の実行の結果、堀内果実園は目覚ましい成長を遂げています。事業は創業時の家族3人体制から大きく拡大し、現在では約60名を雇用する規模となっています。
また、単に事業を拡大するにとどまらず、地域社会への貢献も積極的に行われています。具体的には、五條市の「五万人の森公園」の指定管理を担い、地域活性化と雇用創出に貢献されています。さらに、2025年8月9日には、顧客体験を重視した来店型の新工場「Land」をスタートされ、今後のさらなる地域との連携が期待されます。
【本例会からの学び】
本例会は、多くの経営者が共通して抱える「このままでは厳しいが、どう事業を展開したら良いか分からない」という深刻な課題に対し、堀内氏の実践を通じて、明確な方向性と経営に新たな視点を学び合う貴重な機会となりました。
付加価値の創造とは、外部環境に依存するのではなく、自ら覚悟を持って「利益を確保する体制」を築き上げ、社員とともに企画開発から取引先関係まで、事業の隅々まで手を入れ続けることであると再認識いたしました。
ご多忙の中、熱意のこもったご報告をいただきました堀内俊孝氏に改めて感謝申し上げるとともに、本日得られた学びを自社の経営に活かし、共に“楽しみ”、成長していきましょう。
(座長/(株)東豊技建 中島 美香)
参加された方の声
例会報告から学んだこと、感じたことなどを率直にお書きください。
堀内さんのお話がとても参考になりました。
ブランディングの大切さが身に染みたのと、誰かがやってたら自分もできる。このマインドは見習いたいなと思いました!
ブランディングについてとても勉強になった。もっと深く聞いてみたいと感じた。
別の経営者の"拘り"について共有することができた。新しい視点を知ることができ、自らへの教訓としたい。
やはり楽しむという事。ブランディングの大事さ。
ブランディングとマーケティングを重視されている。
ブランディングも、もちろん大事。
見せ方も大事!でも、自分の信念が大事だな。と、改めて感じました。
ポジティブなパワーに溢れた会と思いました
・理念の重要性
・会社の目標設定が重要→LANDの話
ブランディングによる付加価値を高めること、差別化を図ることが重要であると実感しました。
・自社の強みを徹底的に考えてみる
・ブランド力で収益を上げる工夫をする








