会報誌インタビュー「VOICE・この人この声」では、「会員企業は辞書の1ページ」という同友会らしく会員の等身大の声をお伝えしています。
(株)縁満 代表取締役 大垣 幸平 氏

(株)縁満の大垣幸平です。2016年に福祉事業で起業し、同時に同友会に入会しました。2022年には障害者の方々と一緒に農業をする農業事業もはじめ、4名から始まった会社は今、パート社員含めて39名。2025年5月2日に方針発表会を外部招待者含めて57名で開催しました。
経営指針書作成のきっかけ

入会3年目に、会員である一般社団法人eightの藤本さんに会社の指針を見せてもらい「会社としてこの1冊の冊子があるって、すごく良いな」と思い、経営指針成文化セミナーに初参加しました。この時は作ってどうなるかというところまでは見えていませんでした。
発表会3年目の大きな変化

1回目、2回目の発表会は、自分で理念やビジョンを作って社員に胸を張って発表しましたが、社員は頷いてはくれども「へぇ、そうなんですね」という反応でした。7年続けた現在、初めは自分が最初から最後まで全てやっていた方針発表会を社員主体で開催するという状況になっています。社員主体になった分岐点は3年前。幹部社員たちと一緒にビジョン作成に取り組みはじめたことです。僕はお客様第一という考えが強かったのですが、社員は自分たちもお客さんも両方大事と考えている人が多かった。議論の結果、私を含めた社員自身の「こうなりたい」というあり方と思いを言葉にして、みんなが「それが欲しい」と求めるビジョンになったんです。自分たちで決めたビジョンだけあって、そこに社員自身の責任が生まれたと感じています。
会社は経営者の器以上には大きくならない
これはもう、めちゃくちゃ身に染みています。同友会で学んだことは、目の前のことから「逃げない」そして「チャレンジし続ける」ということです。今までは、嫌なことや見たくないことに蓋をしていましたが、そのことに1つ1つ向き合うということの価値を同友会活動でたくさん体験しました。1つの成功の後ろには、10のチャレンジがありほとんどが失敗です。失敗しても何かを掴んで、それを積み上げていく。逃げずにチャレンジを重ねていくことが器を大きくしていくと学びました。
逃げずに社員と関わる
ビジョンを作成して3年、特にこの1年は幹部社員とぶつかることが圧倒的に増えました。経営者の僕がぶれるような発言をした時に「社長、それは理念としてどうなんですか?」と突っ込まれる。社員から教えてもらうことがすごく多い。僕自身、理念作成から腹落ちまで時間がかかったように、社員も2年、3年とビジョンをもとにアウトプットし続けることで、だんだんと染み付いてきたいるのだと感じます。
逃げないというのは相当難しいことですが、嫌だな、苦手だなと感じることにチャンレンジし続けることが経営者として自己成長に繋がると考えています。
