奈良プラスチック製品製造業の現状

2017年12月1日 投稿

ここ10年間でみると、プラスチック製品製造業の製品出荷額は、景気後退や取引先の海外移転、安い輸入品の増加などの影響を受け、ピーク時の12兆円から10兆円を下回っています。また、石油価格の高騰や人口減による国内消費量の減少なども脅威の1つとなっています。奈良県は地場産業に指定されていますが、企業数が約300社から約70社近くにまで激減しました。

今後は、金属などと比べると加工がし易い利点を生かし高付加価値製品への代替として日用品や医療品など様々な分野で広がりを見せること、また、エコ意識の高まりにともない、廃プラスチックの再利用(平成19年度は69%、平成28年度は82%)のさらなる上昇、生分解性プラスチック(地中の微生物によって分解される)が食品包装フィルムや農水産業用資源などの製品分野で利用が始まっており、環境にやさしいニーズが増加していく等が予想されます。

今後の課題は、後継者不足による廃業が続く中、次世代の若者にものづくりの魅力を伝え、強靭な経営体質で頑張っている元気な姿をみせることです。