好調な半面、競争激化のフィットネス業界

2020年3月1日 投稿

フィットネス業界の直近10年間は右肩上がりで成長しており、市場規模は約6400億円(2018年度)と2011年度から8年連続で前年度を上回っています。また、フィットネスクラブの会員数も約340万人(2018年度)となっています。2000年は約210万人だった会員数から考えると、この18年間で100万人以上増加していることになります。

業界が伸びている要因とフして、2点が挙げられると考えられます。1点目がサービス多様化・専門特化によるサービス提供が拡大したからです。これまでは総合型(プール、温浴施設、スタジオ、マシンの一体型)が主流でしたが、ヨガスタジオや24時間営業、女性専用などのサービスの展開により、幅広い客層を取り込むことでできたと考えられます。

2点目は価格帯の変動です。1点目に紐づきますが、サービス多様化・専門特化になることで、リーズナブルな価格帯でサービスの提供ができるようになりました。また反対に成果型にすることで、高価格帯なサービスにもニーズが生まれています。

上記2点を背景に、新興企業の台頭や他業種からの参入が大きく影響しています。2018年度には業歴10年未満の増収企業の構成比が4割を超えていますし、他業種からの参入も近年では増加しています。

このような現状を踏まえると、フィットネス業界は今後もさらに伸びる要素を含んでいる業界にはなりますが、競争は一層激しくなります。倒産件数も2019年8月時点では8件と数字としては少ないですが、既に2018年の6件を上回っている状況です。

市場規模の拡大と比例するように、競争の激化による倒産件数の増加も予想されます。今後、生き残っていくためにもサービスの差別化がより重要になってくる業界であり、1社1社の会社の真価が問われることとなります。